配管や流体機器を設計する上で、重要となる項目の一つが圧力損失です。

ポンプで流体を送りたい場合や、配管で空気を供給する場合、配管内を流れる途中で流体は圧力を失います。

この圧力損失を考慮せずに設計すると、必要な性能が得られないといった不具合が発生します。

今回は、流体の圧力損失が発生する原因や種類、計算方法、設計時の対策について解説していきたいと思います。

圧力損失とは?

改めて、圧力損失とは、流体が配管や機器内を流れる際に発生する圧力の低下のことを指します。

流体は何も抵抗がない空間では、一定の速度で流れ続けます。

しかし実際の流体では以下のような抵抗が発生します。

  • 配管壁との摩擦
  • 流れ方向の変化
  • バルブや継手による抵抗
  • 流体同士の摩擦

これらの影響により、流体のエネルギーの一部が失われ、圧力が低下します。

例えば、配管入口の圧力が0.5MPaだったとしても、出口では0.45MPaになっていることがあります。

この場合、0.05MPaが圧力損失となります。

なぜ圧力損失が発生するのか?

流体が配管内を流れると、配管壁との間で摩擦が発生します。

配管の中心では流速が速く、逆に壁面付近では摩擦によって流速が遅くなります。

この速度によって、流体内部にせん断力が発生し、流れのエネルギーが熱などに変換されます

その結果、流体が持つ圧力エネルギーが減少します。

圧力損失の種類

圧力損失は大きく2種類に分けられます。

管摩擦損失

管摩擦損失は、直線状の配管を流れることで発生する損失です。

主な因子は以下になります。

  • 配管の長さ
  • 配管径
  • 流速
  • 配管の表面粗さ
  • 流体粘度

局所損失

局所損失は、配管の形状変化によって発生する損失です。

  • エルボ
  • バルブ
  • 絞り部
  • 断面の急拡大・急縮小
  • 継手

流体の方向が変化すると、渦や乱れが発生します。

この乱れによってエネルギーが消費され、圧力損失が発生します。

圧力損失の計算方法

管摩擦損失は以下の式で求められます。

数式

$h_f=λ\dfrac{L}{D}\dfrac{v^2}{2g}$・・・①

$h_f$:管摩擦損失[m]

$λ$:管摩擦係数

$L$:配管長さ[m]

$D$:配管内径[m]

$v$:流速[m/s]

$g$:重力加速度[m/s2]

このとき、管摩擦損失の単位は[m]なので、圧力に変換する必要があります。

変換式は以下のようになります。

数式

$ΔP=ρgh_f$・・・②

$ΔP$:圧力損失[Pa]

$ρ$:流体密度[kg/m3]

つまり管摩擦損失の値が大きくなるほど、圧力損失も大きくなります

圧力損失の影響する要素

前述の式①を見ると、圧力損失に影響する要素があることが分かります。

配管径

式①中の$D$に当たります。

同じ流速でも、配管径が小さいほど圧力損失が大きくなります。

適切な大きさの配管を選択することが重要です。

流速

流速が増加すると、圧力損失は急激に増加します。

式①では$v$に当たります。

特に圧力損失は流速の2乗に比例しているため、最も影響が大きい値です。

配管長さ

配管が長くなるほど、流体が配管壁から受ける抵抗が増えるため、圧力損失は大きくなります

式①では$L$に当たります。

圧力損失を低減するには?

圧力損失を低減するには、以下の方法があります。

配管径を大きくする

最も効果的な方法の一つです。

配管径を大きくすることで流速の低下も見込めます。

配管経路を短くする

不要な配管長さを短くすることで、管摩擦損失を低減できます。

曲がりを減らす

エルボや継手を減らすことで、局所損失を抑えることができます。

配管表面を滑らかにする

配管内の粗さが小さいほど摩擦抵抗が減少します。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、流体の圧力損失について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 圧力損失とは、流体が配管や機器内を流れる際に発生する圧力の低下のこと
  • 圧力損失には管摩擦損失と局所損失が存在する
  • 圧力損失の低減には、配管径や配管経路の改善が効果的