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流体力学

飛行機ってなぜ飛べるの?【流体力学的解説】

皆さんは飛行機に乗ったことはありますか?

私は数えるほどしか乗ったことはありませんが。。。

ところであんな金属の塊が空を飛べるのは不思議ですよね。

今回は飛行機が飛べる理由について解説していきたいと思います。

揚力とは?

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まず揚力という力をご存じでしょうか。

例えば、氷を水に入れると、氷は浮きますよね。

これは氷に浮力という浮き上がる方向に力がかかるため浮いています。

同じように、物体が水や空気などの流体中を動くと、浮き上がる方向に力が発生しています。

このような動く方向と垂直の向きにかかる力を揚力と呼びます。

浮力と同様に、この揚力が重力を上回ったときに浮きます

例えば、野球のボールを投げるとき、球速が速いほど、まっすぐに飛んでいるのを見たことがあるのではないでしょうか。

球速の遅い球では山なりの軌道になってしまいますが、球速の速い球は揚力によって、ボールが浮かび上がる方向の力を受けているので、重力の影響を打ち消しあって真っすぐ飛んでいる、ということになります。

ベルヌーイの定理とは?

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流体のイメージ図

流体の中では圧力がかかっています。

空気であれば気圧、水であれば水圧という言葉がありますよね。

この圧力は何によって決まるのでしょうか。

流体中では、流体の密度、流速、高さによって決まります。

一定区間内の流体では、以下の式で表されます。

この式のことをベルヌーイの定理と呼びます。

数式

$P+\dfrac{1}{2}ρv^2+ρgh=一定$

$P$:ある点での流体の圧力[$Pa$]

$ρ$:流体の密度[$kg/m^3$]

$v$:流体の速度[$m/s$]

$g$:重力加速度[$m/s^2$]

$h$:基準点からの高さ[$m$]

例えば、同じ高さにある流体を考えます。

この場合は基準点が同じになるので、$h=0$となるため3項目は無視して考えることができます。

すると、$P$と$\dfrac{1}{2}ρv^2$の和が一定という関係式と考えることができますので、2項目の流速と密度が小さくなるほど圧力が大きくなります

翼周りの空気の流れ

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翼周りのイメージ図

では次に飛行機の翼について考えていきます。

飛行機の翼は図のように上下で非対称な形状になっています。

このような形状で風を受けるとどうなるでしょうか。

上下で非対称なため、風の流れる速度は異なります。

この場合は、上側の方が流速が速く、下側の方が流速が遅くなるように設計されています

上下の流体の関係、ベルヌーイの定理を用いて式で表すと、以下のようになります。

ただし、本来であれば翼の高さ、空気の密度変化も考慮するべきですが、簡略化のため、今回は省略します。

数式

$P1+\dfrac{1}{2}ρv1^2=P2+\dfrac{1}{2}ρv2^2$

 ⇔$P2-P1=\dfrac{1}{2}ρ(v1^2-v2^2)$

$ρ$:空気の密度[$kg/m^3$]

$P1$:翼の上側の圧力[$Pa$]

$v1$:翼の上側の流速[$m/s$]

$P2$:翼の下側の圧力[$Pa$]

$v2$:翼の下側の流速[$m/s$]

この式から考えると、上側の流速の方が大きいので、$(v1^2-v2^2)$は正の値になります。

すると左辺の($P2-P1$)も正の値になります。

これは、翼の上下の圧力差が発生しており、翼の下側の圧力($P2$)が大きいことを示しています。

圧力差($P2-P1$)が揚力となり、流速差が大きくなるほど揚力も大きくなっていきます。

これが飛行機が飛ぶことができる理由です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は飛行機の飛ぶ原理について解説していきました。

最近では気軽に乗れるようになってきた飛行機でも、飛ぶ原理は意外と知られていなかったかもしれません。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 流体は流速の差によって圧力差が生じる。
  • 飛行機の翼は上下が非対称になっており、圧力差が生じるようになっている
  • 圧力差による揚力が重力を上回ったときに、浮かび上がることができる。
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