3D CADを使用している場合、3Dモデルから図面を作成することが多いと思います。

しかし実際には、3Dモデルはできていても、図面でトラブルになるというケースは少なくありません。

特に機械設計では、最終的に加工・検査を行うのは図面となります。

今回は3D CADで作成した3Dモデルを図面化するときに注意するポイントを解説したいと思います。

なぜ図面化が必要なのか

3D CADを使っていると、「モデルの完成」=「設計の完了」と考えてしまいがちです。

しかし実際には、加工、検査、組立など多くの工程は図面を見て仕事をします

最近は3Dデータを加工や検査に取り入れていることもありますが、まだ図面を使用していることが多いです。

つまり図面とは、「設計者の意図を他者に伝えるための資料」ということになります。

どれだけ完璧な3Dモデルを作成したとしても、図面で誤解されればミスや手戻りに繋がります。

図面作成の注意点

ここからは図面作成時に注意することを記載していきます。

寸法を全部入れない

図面に慣れていない方は、寸法を全て入れれば完璧、と考える方もいると思います。

しかし、実際にはそうではありません。

寸法を過剰に入れると、基準点が分からない、二重寸法になる、寸法公差が矛盾するといった問題が生じます。

重要なのは、加工・検査に必要な寸法を意識して配置すること、です。

例えば、穴位置なら、基準からの距離はいくつか、穴間ピッチはどのくらいか、公差はどこまで許容するか、が重要となってきます。

隠れている部分を見えるようにする

3Dモデルでは自由に回転して形状を確認することができます。

しかし図面では、正面図や側面図など、限られた視点しかありません。

そのため、隠れている段差や貫通穴などが伝わらないことがあります

見えない部分は、断面図を入れて補完しましょう。

加工方法を意識する

3Dモデルでは、色々な形が作れます。

しかし現実の加工では、工具が入らない、加工順序が成立しない、コストが異常に高くなるといった問題が発生します。

図面化するときは、この形は何を使って、どのように加工するか、という点を意識しましょう。

例えば、板金であれば曲げ加工ができるか、削り出しであれば工具が入るか、という点がポイントとなります。

公差を適当に入れない

図面で非常に重要なのが公差です。

慣れていない人ほど厳しめの公差を入れがちです。

しかし公差が厳しいほど加工費が上がる、納期が長くなるといった問題に繋がります。

逆に公差が緩すぎると、ガタが出る、組立できないといった不良に繋がります。

公差は、必要な機能を満たす最小限の値を入れるようにしましょう。

他人が読むということを意識する

設計者本人は、全体像を作っているので形状をよく理解しています。

しかし図面を見る人は、初めてその部品を見る人です。

設計意図も知らず、どんな形を組みあがるのか分かっていない人も多いで背う。

そのため、図面には寸法だけでなく、必要な注記を書き、不要情報は減らし、見やすくする必要があります。

特に寸法線が交差していたり、文字・寸法が密集していると読みにくくなってしまいます。

自分が読むための図面ではなく、「他人が短時間で理解できる図面」を作るように意識しましょう。

3D CAD設計でも図面は必要

最近では、図面レス化や3D単独運用が進んでいる企業もあります。

しかし実際に加工を行う製造現場ではどうでしょうか。

まだまだ図面を扱う文化が残っています。

だからこそ、3Dモデルを作る力と同じように、図面へ正しく落とし込む力も必要とされています。

図面を求められたときに困らないよう、力を付けておくことが重要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は3Dモデルの図面で注意することについて解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 図面は加工や検査、組立に用いられている
  • 図面作成時には、図面を見る人のことを考慮して寸法を入れる
  • 図面を求められたときに作成できる力が重要