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材料力学

モーメントって何?【機械工学で用いるモーメント5選】

皆さんはモーメントという言葉を聞いたことがありますか。

機械工学の世界では度々登場するワードですが、種類もいくつかあります。

今回は、代表的なモーメントを5つ紹介していきたいと思います。

力のモーメント

まず最初は最も基本となる力のモーメントからです。

高校物理でも出てくると思います。

一般に「モーメント」と言われたら、この力のモーメントのことを指しています。

モーメントはある点から距離と力がかかる部分までの距離と力の積になります。

数式で表すと、以下になります。

数式

$M=F・L$

$M$:力のモーメント[$N・m$]

$F$:力[$N$]

$L$:力から点までの距離[$m$]

力の方向

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ここで力の方向について考えます。

力とは、大きさと向きの二つから成り立っています。

空間上の力の向きは、大きく分けて3方向で全ての向きを表すことができます。

その3方向とは、X,Y,Zの3つです。

例えば、斜め方向の力があったとしても、3つの方向に成分分解することが可能です。

モーメントの方向

ではモーメントの方向はどうでしょうか。

モーメントは力と距離の積で、回転方向の向きになるので、力と同じように向きを表すことができません。

モーメントは回転の向きなので、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りの3つで表すことができます。

力のモーメントの使いどころ

機械工学では、力のモーメントの使いどころは多いです。

ねじや溶接などで固定する部分が多く、固定点があると、必ず力のモーメントが発生するからです。

そのため、固定点や構造の強度が耐えられるかどうかを検討する必要があります

断面一次モーメント

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力のモーメントは力と距離の積でしたが、断面一次モーメントはある点から面積と距離の積の合計になります

単位は[$m^3$]となります。

断面一次モーメントの定義式

断面一次モーメントの定義式は以下のように表されます。

数式

$G= \displaystyle \int y  dA$

断面一次モーメントの使いどころ

断面一次モーメントは、物体の重心を求めるときに使用します。

同じ材料の物体であれば、密度も一定なので、面積を考えれば質量を考えていることと同意になります。

そのため物体の重心を求めることができますが、実設計では形状が複雑になることが多く、最近では3DCADで形状を作ることによって重心を算出することもできるので、そこまで使いどころは多くないかもしれません。

断面二次モーメント

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断面二次モーメントは、物体の曲げにくさを表す値として使われています。

単位は[$m^4$]です。

断面二次モーメントの定義式

断面二次モーメントは以下のように表されます。

数式

$I= \displaystyle \int y^2  dA$

断面二次モーメントの例

ここでは実際の断面形状について数式例を記載します。

数式

断面が長方形の場合

 $I=\dfrac{b・h^3}{12}$

 $b$:長方形の横の長さ[$m$]

 $h$:長方形の縦の長さ[$m$]

断面が円形の場合

 $I=\dfrac{π・d^4}{64}$

 $d$:円の直径[$m$]

断面二次モーメントの使いどころ

機械工学的には、断面二次モーメントは曲げに対する強度確保の検討に用いられます。

例えば、荷重がかかる部品が変形しないように、厚み(縦の長さ)を大きくして断面二次モーメントを大きくするとき、どのくらいまで大きくすればいいか、の検討に用いられます。

断面二次極モーメント

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断面二次極モーメントは物体のねじりにくさを表したものになります。

断面二次極モーメントの定義式

半径$r$の円形状の断面二次極モーメントは以下のように表されます。

数式

$I_P= \displaystyle \int r^2  dA$

断面二次極モーメントの例

ここでは断面形状が円の場合の断面二次極モーメントを考えます。

数式は以下のように表されます。

数式

$I_P=\dfrac{π・d^4}{32}$

断面二次極モーメントの使いどころ

断面二次モーメントと同様に、強度確保のための検討に用いられます。

断面二次モーメントは曲げに対する強度でしたが、断面二次極モーメントはねじり方向にかかる荷重の強度確保のため、どのくらいまで径を大きくするか、の検討に用いられます。

慣性モーメント

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慣性モーメントは物体の回転しにくさを表しています

単位は[$kg・m^2$]になります。

慣性モーメントの定義式

慣性モーメント$J$の定義式は以下のように表されます。

数式

$J= \displaystyle \int ρ・r^2  dV$

$ρ$:物体の密度[$kg/m^3$]

$r$:回転中心からの距離[$m$]

慣性モーメントの例

ここで断面形状について、慣性モーメントの例は以下のように表されます。

数式

断面が長方形の場合

 $J=M・\dfrac{a^2+b^2}{12}$

 $a$:長方形の横の長さ[$m$]

 $b$:長方形の縦の長さ[$m$]

 $M$:物体の質量[$kg$]

断面が円形の場合

 $J=M・\dfrac{M・d^2}{8}$

慣性モーメントの使いどころ

慣性モーメントは滑車やタイヤのような回転する機構を検討するときに使用しています。

例えば、小さい力で円柱を回転させたいときは、慣性モーメントを小さくするように、形状を設計していきます。

終わりに

いかがだったでしょうか。

今回は機械工学で使用するモーメントを5種類紹介してきました。

強度を検討する上では、必ずと言っていいほどモーメントは関わってきます。

それぞれの特徴をよく理解して使い分けましょう。

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