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材料加工

機械設計での材料選定方法【機械材料の基礎解説】

皆さんは設計するときに、どのように材料を選定していますか?

機械設計において、材料選定は製品の性能、コスト、寿命に大きな影響を与える重要なプロセスです。

今回は、材料選定の基本的な考え方を解説します。

材料選定の重要性

材料の選定を間違えると、どのようなことになるでしょうか?

機械設計において、材料は製品の以下の要素に影響があります。

材料選定が設計に与える影響
  1. 性能
  2. コスト
  3. 寿命
  4. 環境

性能

強度、耐熱性、耐腐食性などの特性に影響を与えます

例えば、海沿いにむき出し鉄を置いておくとどうなるでしょうか。

以下のような錆止めなどを使用していない限り、簡単に錆びてしまい、錆びの部分から破断してしまうことが想定されます

コスト

材料そのものの価格に加え、加工性や供給の安定性も考慮する必要があります

前述の錆の例で考えると、錆びにくい金属として、金が挙げられます。

しかし金を大量に使用することは、高価なため難しいと思います。

耐久性

使用環境や条件に耐えられる材料を選ぶことで、製品の寿命を延ばすことができます。

環境への影響

サステナビリティを考慮し、リサイクル可能な材料やエコデザインを採用することで、環境負荷を軽減できます

材料選定のプロセス

材料は以下の順で選定していきます。

材料選定の手順
  1. 設計要件の明確化
  2. 候補材料の調査
  3. 材料特性の比較
  4. コストと供給の検討
  5. 試作とテスト

設計要件の明確化

製品がどのような条件で使用されるのかを確認します。

例えば、剛性がどのくらい必要か、温度は何度まで使用するか、規格や法的に要求事項はないか、などが挙げられます。

候補材料の調査

材料データベースやカタログを活用して、要件を満たす可能性のある材料をリストアップします。

例えば、同じステンレスでも、種類によって防錆や強度が異なるため、複数の候補を見つけ出すことが必要です。

材料特性の比較

リストアップした候補材料の特性を比較し、最適な選択肢を絞り込みます。

コストと供給の検討

材料の価格だけでなく、供給チェーンの安定性や加工コストも考慮します。

例えば、板金の場合は、一般的に板厚が小さい方が材料費は安くなります。

しかし供給が少ない板厚の場合は、入手性が悪く、納期がかかってしまうこともあります。

試作とテスト

選定した材料で試作品を作成し、性能テストを実施します。

主な材料の種類と特徴

主な4つの材料について、特徴を説明します。

金属材料

金属材料は、高い強度と剛性を持つという特徴を持っています

例えば、ステンレスのような鋼、熱を伝達しやすいアルミニウムや銅が代表として挙げられます。

プラスチック材料

プラスチック材料は軽量で腐食に強く、コストも安いという特徴があります

例えば、安価なポリプロピレン(PP)や、強度の強いポリカーボネート(PC)、透明度の高いアクリル(PMMA)などが挙げられます。

複合材料

複合材料は複数の素材を混合することで、強度と軽量化を両立した材料となっています

例えば、炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックが挙げられます。

セラミック材料

セラミック材料は耐熱性や耐摩耗性が高い材料です

一方で脆性破壊しやすいという特徴もあります。

材料選定の事例

最後に各業界での材料選定の事例を紹介したいと思います。

自動車業界

 軽量化と燃費向上を目的に、アルミニウムやCFRPを使用してシャーシ設計を行っています。

航空業界

 耐熱性と軽量化を両立するために、チタン合金やCFRPを採用しています。

電子機器業界

 熱伝導性と電気絶縁性を両立するセラミック材料を用いた基板設計を行っています。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は材料選定方法について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 機械設計での材料は、性能・コスト・寿命・環境に影響する
  • 選定では、設計要件などを考慮して行う
  • 主な材料には、金属・プラスチック・複合材料・セラミックなどが挙げられる
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