皆さんはメッキというものを知っていますか。
よく「メッキが剥がれる」などあまり良くない意味で使われることもあります。
しかし鉄を使う上では、メッキは必須になります。
今回は鉄の代表的な亜鉛メッキとニッケルメッキの二つを例に、特徴を紹介していきたいと思います。
鉄にメッキをする理由は?
鉄にメッキをする主な理由は、腐食対策になります。
メッキをしていない、むき出しの鉄はすぐに錆びてしまいます。
人の手で触っただけで、錆びてしまうこともあるくらいです。
錆があると強度が落ちることに繋がりますので、そのまま使うことは非常に危険です。
そんなすぐに錆びる鉄では、使いにくいですよね。
そこで登場するのがメッキというわけです。
亜鉛メッキとニッケルメッキの違い
鉄の代表的なメッキには、亜鉛メッキとニッケルメッキの2種類があります。
このメッキには腐食対策のメカニズムが異なります。
イオン化傾向の違い
突然ですが、イオン化傾向というものをご存じでしょうか。
高校化学で少しだけ学んだ方もいると思います。
このイオン化傾向はイオンになりやすさを示したものですが、言い換えれば錆びやすさと考えることもできます。
鉄(Fe)の前後を考えてみましょう。
順番で考えると、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)の順になります。
この3つの中では、亜鉛が最も錆びやすく、ニッケルが錆びにくいということになります。
亜鉛メッキの場合
亜鉛メッキの場合は、鉄より錆びやすい材料を表面に塗布していることになります。
これは、表面の亜鉛に錆びてもらい、内部の鉄が錆びて強度低下することを防ぎます。
外観は錆びて悪くなりますが、亜鉛メッキは比較的安価に処理できるので、人の目に触れないような部分の鉄に使われています。
ニッケルメッキの場合
ニッケルメッキは、鉄よりも錆びにくい材料を表面に塗布していることになります。
この場合は単純で、より錆びにくい性質を鉄の表面に取り付けていることになります。
ニッケルメッキの場合は錆びにくくなるので、外観を綺麗に見せたい場合は採用されることが多いです。
しかし亜鉛メッキよりも高価になるため、コストとの相談が必要になります。
まとめ
今回は鉄の亜鉛メッキとニッケルメッキについて紹介してきました。
まとめると以下のようになります。
- 亜鉛メッキは錆びやすくなるが、コストが安い
- ニッケルメッキは錆びにくくなるが、コストが高い
- 用途に合わせてメッキを選択することが重要
鉄は使用頻度も高いと思いますので、用途とコストに応じて、メッキを上手く使い分けることが必要です。