SUS304とSS400の違いとは?【機械設計の基礎解説】
機械設計を始めたばかりの頃、何の鉄系材料を使うか悩むと思います。
特によく使われるのがSUS304とSS400の2つです。
この2つはどのような違いがあるのでしょうか。
今回はSUS304とSS400の違いについて解説していきたいと思います。
SUS304とSS400の概要
SUS304とは?
SUS304とは、JIS G 4305で規定されるオーステナイト系ステンレス鋼のことを指します。
主成分は鉄ですが、クロムやニッケルを含んでいます。
特徴としては、錆びにくい、見た目がきれいという点があり、キッチン用品や食品機械、医療機器など幅広く使われている金属です。
SS400とは?
SS400は、JIS G 3101で規定される一般構造用圧延鋼材のことを指します。
主成分は鉄で、少量の炭素を含んでします。
架台やメインフレームなどの機械構造部材に多用されています。
一番大きな違い
SUS304とSS400の一番大きな違いは錆びやすさにあります。
ステンレス鋼には、表面に不働態皮膜という非常に薄い保護膜を形成します。
この膜によって鉄の表面が保護されているため、錆びにくくなります。
一方で、SS400はどうでしょうか?
主成分が鉄と炭素のため、SS400には保護膜がありません。
そのため湿気や水分に触れると赤錆が発生しやすくなります。
強度の違い
強度の違いをまとめると以下の表のようになります。
| 項目 | SUS304 | SS400 |
|---|---|---|
| 引張強さ | 520MPa | 400MPa |
| 耐力 | 205MPa | 245MPa |
このようにSUS304は引張強さが高い一方で、耐力は低めになる傾向があります。
つまり、破断しにくさを重視する場合はSUS304を採用し、永久変形しにくさを重視する場合はSS400を採用することが多いです。
加工性の違い
SS400は、切削や穴あけ、曲げ加工しやすいといった扱いやすさが特徴です。
一方でSUS304は、加工すると硬くなる加工硬化が起こりやすい材料として知られています。
つまり、加工すると切削抵抗が大きくなり、刃物が摩耗しやすい、切削熱が大きくなるという特徴があるため、加工条件や工具選定が重要となります。
溶接性の違い
SUS304とSS400のどちらも溶接が可能ですが、注意点が異なります。
SS400は一般的な炭素鋼用溶接で対応可能です。
しかしSUS304は、溶接焼けが発生します。
溶接焼け部分は耐食性が低下するため、酸洗いや電解研磨といった後処理が必要な場合があります。
価格差
市場価格により変動しますが、一般的にステンレス材は鉄材と比べて高価格になりやすいです。
つまりSUS304の方がSS400よりも高価格になります。
1円でもコストを安くしたい場合はSS400が選ばれることもあります。
ただし、表面処理の方法によっても、合計価格は変わります。
安易に材料価格のみで選択しないことが重要です。
どちらを選ぶべきか
ここまでの内容をまとめると以下のようになります。
| 項目 | SUS304 | SS400 |
|---|---|---|
| 材料分類 | ステンレス鋼 | 一般構造用鋼 |
| 錆びにくさ | 錆びにくい | 錆びやすい |
| 引張強さ | 520MPa | 400MPa |
| 耐力 | 205MPa | 245MPa |
| 溶接性 | 溶接焼けあり | 問題なく可能 |
| 加工性 | 加工硬化しやすい | 加工しやすい |
| 磁性 | 弱い | 強い |
| 価格 | 高い | 安い |
つまり、屋外のような水がかかることが想定される場合はSUS304が選定されることが多いです。
一方で、コスト重視や高い加工性や耐力が必要な場合はSS400を選択することが多くなります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はSUS304とSS400の違いについて解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- SUS304はオーステナイト系ステンレスであり、錆びにくさに利点がある
- SS400は一般構造用圧延鋼材であり、加工性やコストに利点がある
- それぞれの特徴を把握して使い分けることが重要





