皆さんは冷却用のFANを使ったことありますか?
FANには用途によって”プッシュ”と”プル”の二種類があります。
今回はFANのプッシュとプルの違いについて解説していきたいと思います。
プッシュとは?
プッシュとは、「押す」という意味です。
空気を押し出して風を送り出すことを目的にした手法です。
例としては、扇風機を考えると分かりやすいと思います。
発熱部品はFANに対して正面側(風を送り出す側)の方向に置くことになります。
プルとは?
プルとは、「引く」という意味です。
空気を引っ張って風を起こし、外に空気を押し出すということを目的にした手法です。
例としては、換気扇を考えると分かりやすいと思います。
発熱部品はFANに対して反対側(風を送り込む側)の方向に置くことになります。
プッシュとプルの冷却の違いは?
プッシュとプルの違いは、全体で見た時の冷却効率が変わります。
一見すると、直接風が当たって、風速が高くなりそうなプッシュの方が効果が大きいように思います。
しかしプッシュとプルでは複数の発熱部品があるときに違いが現れます。
例えば以下のような状態を考えてみましょう。
一つの箱の中に、発熱部品が3つ置いてある場合です。
風の流入口と流出口があり、どちらかにFANを置いて冷却しようとしています。
このときはどちらにFANを置くと良いでしょうか?
プッシュの場合
上の図がプッシュ型のFANを配置した場合のイメージになります。
青の矢印が風を表しており、太いほど強風だと思って下さい。
このプッシュ型のFANを配置した場合では、正面の発熱部品回りの風速が大きくなります。
そのため中央部分に対しては冷却しやすくなります。
しかし上下の発熱部品はどうでしょうか?
風が中央に大きく流れるため、上下への冷却は小さくなります。
プルの場合
一方でプルの場合はどうでしょうか?
上の図がプル型のFANを配置したときのイメージになります。
プッシュの時と同様、青矢印が風を表しており、矢印が太いほど強風だと思って下さい。
プル型のFANの場合は、上中下の3つの方向から風を吸い込むことになるので、全体的に冷やすことができます。
しかし、もし1か所に発熱部品が集中していたとしても、局所的に風を送ることはできません。
このようにプッシュのFANでもプルのFANでも一長一短があります。
それぞれの特徴をよく考えて配置することが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はFANのプッシュとプルの違いについて解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- プッシュ型は風を押し出して、局所的に冷やすことに向いている
- プル型は風を引っ張って、全体を冷やすことに向いている
- どちらも一長一短があるので、性質をよく理解して使用することが重要