皆さんは板金という言葉を聞いたことありますか。
実は世の中には板金で作られている物はたくさんあります。
今回は、板金の加工法について解説したいと思います。
そもそも板金とは?
板金とは、文字通り金属の板です。
厚さは0.4mmほどの極薄のものから、5mmのような厚いものもあります。
材質も鉄やアルミ、銅、ステンレスなど様々な種類があります。
板金加工法の種類
板金単体での加工には大きく分けて3つの種類があります。
この3つの加工法を組み合わせて形を作っています。
打ち出し加工
打ち出し加工とは、金属の型で穴をくり抜く加工になります。
クッキーを作るときに、生地を型で抜いていくイメージに似ています。
また、型を抜く方向によって「抜き面」や「ダレ面」と呼ばれることがあります。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
注意点としては、抜く穴同士が近すぎたり、端面と穴が近い場合には、加工ができないという欠点があります。
他の加工法にも共通しますが、板金加工業者に依頼する場合は、加工可能かを確認して設計することが必要です。
曲げ加工
曲げ加工とは、文字通り板金を曲げて形を作る加工になります。
曲げる角度は90度曲げが基本となりますが、場合によっては120度曲げや180度曲げてしまうこともあります。
この加工は、折り紙を折って形作るイメージに似ています。
絞り加工
絞り加工とは、板金に圧力をかけながら引き延ばすことで、円柱型の形を作ることを指します。
金属の灰皿やバケツのような形状を作るときは絞り加工が用いられます。
その他の加工
板金単体に対して行う加工については上記の3つになります。
しかしその他にも、板金に別の物を付加する加工法が存在します。
溶接
溶接とは、金属を融かしてくっつける方法になります。
一般的には金属の棒を溶かして面同士を接合することになりますが、電流を流して点接触で接合する、スポット溶接と呼ばれる方法もあります。
圧接
圧接とは、圧力をかけて部品同士をくっつける方法になります。
例えば、USBでスマホを充電するとき、USBポートにケーブルを差し込みますよね。
これも一種の圧接になります。
板金でも、小さめの穴に対し、少し大きいナットを圧力をかけて押し込んで取り付ける方法があります。
注意点として、大きい力をかけると外れてしまうことがあるので、力をかけない部分に使用することが重要です。
表面処理
表面処理は、金属の表面にめっきなど処理することによって、他の金属の特性を付与することです。
代表的な物だと、鉄にめっきを行って錆び止めの効果を得ることがあります。
鉄へのめっきは、以下の記事で紹介しています。
塗装
表面処理と似たもので塗装という方法もあります。
スプレーなどで板金に塗料を散布して、表面に色を付けることができます。
こちらは錆び止めの効果もありますが、外観を綺麗にしたいときに用いられることがあります。
具体例として、車の外板への塗装に使われています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は板金の加工法について紹介してきました。
まとめると以下のようになります。
- 板金単体の加工には、抜き加工、曲げ加工、絞り加工の3つがある
- 他の金属を付加する方法として、溶接、圧接、表面処理、塗装がある
- 加工上の制限があるので、設計時点で加工業者へ確認が必要