皆さんはプラスチックの製品をよく観察したことはありますか?
意外と身の回りには製品があふれていると思います。
しかし裏側など目立たないところに、「PP」とか「ABS」とか記載があると思います。
これは何を意味しているのでしょうか?
実はこの記号は材料名を表しています。
今回はプラスチックに記載されている材料名について解説していきたいと思います。
プラスチックの記載の例
例えば、以下のような消臭剤を見てみましょう。
中のプラスチックの裏側を見ると、以下のような記載があります。
トレー:PP
カバー:PP
このようにプラスチックの見えにくい部分には、2~4文字の記号が記載されています。
記載されている理由は?
一見すると、使われている材料が何であろうと、使用者には関係ないように思います。
しかし記載されているからには理由があります。
これは製品使用後のリサイクルを促進するためになります。
もしあなたがプラスチックのリサイクル業者だったと考えてみましょう。
毎日たくさんのプラスチックが送られてきたとして、その材質を瞬時に見分けることができるでしょうか。同じ材料のプラスチックでも、色も透明度も全く違います。
しかしプラスチックに材料名が書いてあったら、誰でも分かりますよね。
プラスチックの仕分けが楽になれば、その分リサイクルしやすくなることに繋がります。
このように廃棄するときのことまで考えて設計することで、環境に優しい製品を作ることができます。
環境配設計(Design for Environment)と呼ばれることもあります。
プラスチックの名称
世の中の製品で使われているプラスチックの種類には、ある程度種類があります。
主なプラスチックの記号と名称を以下の表に示します。
このように表示されている記号を見るだけで、使われている材料名を知ることができます。
なぜ名称ではなく記号なのか
単純にカタカナで材料名を入れてはいけないのでしょうか。
もちろんカタカナで入れていることもあります。
しかし金型で成型している場合、文字の分だけ金属を削らなくてはいけません。
もし新しく文字の長い材料が発見されたら、その材料用の文字を削ることになってしまいます。
また、文字が長いと小さい部品には文字が入りきらないという可能性もあります。
少しでも加工しやすくするために、材料名は略称で表す方が主流となっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はプラスチックに記載されている記号について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- プラスチックには見えにくい部分に材料名を表す記号が表示されている
- 材料名を記載することで、リサイクルを促進することができる
- 正式な材料名は長いので、記号で表して材料名を短く表示できる