皆さんは図面で色を指定したことはありますか?
白色や黒色のような原色ならともかく、水色や黄緑色など色に塗りたい場合はどのように指定するのでしょうか?
今回は図面の色指定方法について解説していきたいと思います。
色の表し方の基本
色の表し方としては、RGBの値で表示されることがあります。
これは、赤・緑・青の3つの色をそれぞれ0~255の数字で組み合わせて表現する方法です。
例えば、赤を255、緑を0、青を0と指定すると、赤色になります。

しかし塗装の色を表したいとき、このRGBで指定することはあまり多くありません。
設計者と製造者の間で、色の認識に齟齬があると、手戻りになってしまうからです。
そこで、あらかじめ決められた色の標準サンプルを指定することで、認識違いの無いように作成します。
色の標準サンプル

色の標準サンプルの代表例は以下のものがあります。
マンセル値
色を数値とアルファベットの組み合わせで表します。
色相・明度・彩度をそれぞれ数値指定します。
例えば、「5R 4/10」という色を指定した場合、色相が赤(R)、明度が4、彩度が10の色を指します。
色相:赤、黄、緑、青などの基本の色を表したものです。
明度:色の明るさを示す値です、0が暗く、10が明るい色となります。
彩度:色の鮮やかさを示します。0が無彩色、10が鮮やかな色となります。
日塗工色票番号
日本塗料工業会が制定した色見本番号で表します。
色見本番号は2年ごとに更新され、番号には発行年度の指定も含まれます。
例えば、「K02-80H」という色を指定した場合、発行年度がK、色相が02、明度が80、彩度がHをいうことを指しています。
色見本番号をまとめた色見本帳は、販売されており、設計時に手元に置いておくと、色味が分かって便利です。
DICカラーコード
DIC(DIC株式会社)が指定した色番号で表します。
例えば、「DIC-15」と指定すると、DICで指定されている「明るい青みの緑」色が指定されます。
他の指定方法では表現しにくい鮮やかな色やメタリック色などが表現可能です。
日塗工色票番号と同様に、DICもカラーコード帳が販売されており、こちらも手元にあると便利です。
色の確認方法
部品を製造した後、正しいかを確認するという工程が必要となります。
そのときの色の確認方法として、色差計を用いた方法が挙げられます。
作成した部品と、前述のカラーコードをそれぞれ読み取り、数値差が無いかを確認します。
以下のような物が色差計の例となります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は色の表し方について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 図面での色は、標準サンプルを用いて表す
- 標準サンプルには日塗工番号やDIC番号などが挙げられる
- 色の確認には色差計による方法がある