皆さんはモジュール設計を行ったことはありますか。
モジュール設計は製品開発において、効率性と柔軟性を向上させることができる重要なアプローチです。
今回は機械設計におけるモジュール設計の基本について解説していきたいと思います。
モジュール設計とは
モジュール設計は、システムや製品を個別の独立した機能に分割して設計する方法です。
この個別の独立した機能をモジュールと呼びます。
各モジュールは、それぞれが特定の機能を持ち、他のモジュールと組み合わせることで、全体のシステムを構築します。
モジュール設計の基本的な特徴
モジュール設計には、独立性、再利用性、拡張性という特徴を持っています。
各モジュールは、他のモジュールから独立して設計されます。
また、設計したモジュールは他の製品やプロジェクトで再利用することも可能です。
さらに、必要に応じてモジュールを追加や交換することで、柔軟に拡張することもできます。
モジュール設計の利点

モジュール設計を行うことで、次のような利点があります。
効率的な開発プロセス
モジュールごとに設計を分割することで、並行して作業を進めることができます。
また、モジュールは独立しているため、特定の部分のみを変更や改良することも可能です。
コスト削減
部品や設計を再利用することで、設計コストや製造コストを削減することができます。
標準化されたモジュールを活用することで、部品在庫や製造プロセスの最適化が図れます。
保守性の向上
故障や不具合が生じた場合、該当するモジュールだけを交換すれば、修理が完了します。
このことによって、保守工数を削減することも可能です。
どのモジュールをどの装置で使用しているか、という点はPDMにて管理しておくことが重要です。
モジュール設計の事例
機械設計において、モジュール設計を行っている例は以下の物が挙げられます。
・家電製品
家電製品では、コントローラ部、電源部、インターフェース部など複数のモジュールに分割されています。
内部部品を共通化することで、大幅にコストを増やすことなく、製品ラインナップを広げていくことを可能にしています。
・自動車部品
自動車では、エンジン、シャーシ、インフォテインメントなどを独立させ、効率的に開発を進めていくことができます。
モジュール設計の注意点
モジュール設計を行う上での注意点もあります。
モジュール間の依存性に注意する
モジュール間に依存性があると、上手く分割できないことがあります。
モジュール同士が独立していることを確認してから設計を勧めましょう。
インターフェースの設計を明確にする
モジュール設計では、モジュール同士が正確に連携できている必要があります。
接続部の仕様は明確にしておくことが重要です。
過度な分割を避ける
モジュールを細かく分けすぎると、設計や管理が複雑になってしまいます。
適度な分割になっているか確認が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は機械設計におけるモジュール設計について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- モジュール設計とは、システムや製品を個別の独立した機能に分割して設計することを指す
- モジュール設計を行うことで、開発費の削減などのメリットがある
- モジュール設計の前に、独立性や依存関係を明確にしておく