皆さんは装置の応力やひずみを考えたことはありますか?
机上でどのくらいになるかを計算していても、実際に見たことはある人は少ないかもしれません。
今回は応力やひずみの可視化について解説していきたいと思います。
応力・ひずみとは?
応力とは、物体を変形させようとする力のことを示しています。
単位面積当たりの力[Pa]で表されます。
ひずみとは、単位長さ辺りの変形量を表しています。
単位はありません。
応力とひずみの関係は、以下の関係で表されます。
$ε=σ/E$
$σ$:物体にかかる応力[$N/m^2$]
$E$:物体のヤング率[$Pa$]
可視化が必要な理由
なぜ可視化が必要なのでしょうか。
それは、実際に設計してみると、予想外のことが生じるためです。
設計するときは、手計算やシミュレーションで応力計算を行い、変形量が許容範囲内かを確認すると思います。
しかし、実物を作ってみると、予想以上の荷重が生じていたり、荷重がかからないと思っていた部品に荷重が生じているということが起こり得ます。
このような想定外が無いか、生じても問題ないかを確認するためにも、可視化が必要となります。
その他にも、実際に不具合が生じた時にの原因調査にも使用可能です。
可視化に必要な代表ツール
可視化に必要な代表ツールを以下に記載します。
ひずみゲージ
ひずみゲージは装置にゲージを貼り付けて、微細な伸び縮みを検出することができます。
ストレインゲージと呼ばれることもあります。
応力集中部や曲げ部など局所的な部分の測定が可能です。
ひずみゲージで生じたひずみを電気信号に変換し、歪測定器で値として出力します。
このとき、ひずみゲージは接着剤にて測定物に貼り付けを行います。
ロードセル
ロードセルは、加わった力そのものを測定することができる装置です。
プレス機やロボットアームなどにかかる荷重を測定することができます。
フォースセンサー
ロードセルと同様に、加わった力そのものを測定することができます。
ただし、ロードセルは一方向にかかる力を測定するのに対し、フォースセンサーは複数軸の力を測定することができます。
測定データの注意点
測定したデータを扱う上での注意点を以下に記載します。
- 温度補正が必要:特にひずみゲージは温度変化の影響を受けやすいため補正が必要です
- 測定部との密着が必要:測定面と測定器の表面が確実に密着しているかの確認が必要です
- ノイズ対策:アースやシールドケーブルを適用してノイズ対策が必要です
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は応力・ひずみの可視化について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 応力・ひずみを可視化することで、想定外がないかを確認できる
- 可視化にはひずみゲージやロードセルによる方法がある
- 測定したデータに問題が無いかを確認することが重要