皆さんはOリングを使っていますか。
Oリングは機械や配管で液体や気体の漏れを防ぐシール部品として不可欠です。
しかし材質選定を誤ると耐久性や密封性に影響を与え、機器の故障に繋がります。
今回はOリングの選定方法について解説していきたいと思います。
Oリングとは
Oリングとは、断面が円形(O形状)のシール部品です。
弾性のあるゴムや樹脂で作られており、溝に密着して圧縮することで隙間を密封します。
標準規格が整備されており、低コストで容易に入手可能です。
シール部品の中でも汎用性が高く、パイプやバルブの密封に使われています。
Oリングの材質
Oリングの材質には以下のような物があります。
NBR(ニトリルゴム)
ニトリルゴムは、最も一般的に使われるOリング材になります。
安価で油などの燃料に強いという特徴があります。
耐熱性も120度近くまで使用できることが多いです。
油圧のシール材として広く使われています。
FKM(フッ素ゴム)
フッ素ゴムは他の素材と比較して、耐熱性や耐薬品性に優れています。
200度ほどの高温に耐えられる物も存在します。
主に耐薬品性を生かして、化学薬品の配管のシール材に用いられています。
ただし高価という欠点があるため、注意が必要です。
EPDM(エチレンプロピレンゴム)
エチレンプロピレンゴムは、耐水性に優れているゴム材です。
安価で水分に強いため、水道や蒸気配管に広く使われています。
耐熱性も良く、150度近くまで耐えられる素材もあります。
SIL(シリコンゴム)
シリコンゴムは耐熱性や耐寒性に優れています。
低温から高温まで対応可能なため、家電製品や医療機器に用いられています。
ただし、耐薬品性に劣っていることがあるため、注意が必要です。
材質選定のポイント
材質選定には、温度、シール流体の種類、圧力の3つの観点が必要になります。
- 温度:高温環境ではフッ素ゴムが、低温環境ではシリコンゴムが有効です。
- シール流体:水に対してはEPDMが、薬品に対してはフッ素ゴムが使用可能です。
- 圧力:高圧の部分には厚みのあるOリングを使用し、回転軸には摩耗に強いフッ素系のゴムを使用します。
寿命向上のポイント
寿命の向上には、以下のポイントがあります。
1.適正なクリアランスを用いる
過剰な圧縮や隙間があると、劣化しやすくなります。適正な隙間を保ちましょう。
2.潤滑剤を用いる
回転体に潤滑剤を適度に用いることで、摩耗を軽減することが可能です。
3.定期交換を行う
Oリングは消耗品のため、定期的な交換を心がけましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はOリングの材質と選定方法について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- Oリングは機械や配管で漏れを防ぐ部品
- 主な材質にはNBRやFKMなどが存在する
- 選定には温度や使用環境、圧力を考慮する



