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機械設計

熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂の使い分けとは?【機械設計の基礎解説】

皆さんは、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂は使っていますか。

同じ樹脂でも、特性が大きく異なりますが、どのように違うのでしょうか。

今回は、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の使い分けについて解説していきたいと思います。

熱可塑性樹脂とは?

熱可塑性樹脂は、加熱すると軟化し、冷却すると固まるという性質を持つ樹脂のことを指します

熱を加えると変形する性質を利用して、射出成型や3Dプリンターの材料にも使用されています。

再加工もしやすいため、リサイクルすることも可能です。

しかしその反面、耐熱温度が低く、注意が必要となります。

主な熱可塑性材料には以下のような例が挙げられます。

材料名特徴耐熱温度使用例
PE
(ポリエチレン)
柔軟で耐薬品性あり80~120℃タンク
PP
(ポリプロピレン)
軽量で安価100~130℃容器
PVC
(ポリ塩化ビニル)
耐水・耐薬品性あり60~80℃配管
ABS
(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)
加工性が容易80~100℃家電部品
POM
(ジュラコン)
耐摩耗性あり100~120℃ギア
PC
(ポリカーボネート)
耐衝撃性あり120~140℃レンズ

熱硬化性樹脂とは?

熱可塑性プラスチックとは、一度加熱して硬化すると、再加熱していも融けない性質を持つ樹脂のことを指します

高温や高圧下でも形状の保持が可能です。

温度だけでなく、耐薬品性や絶縁性に優れる樹脂が多いことも特徴です。

成形には、型取りや硬化成形を行うことがあります。

主な材料には以下のような物があります。

材料名特徴耐熱温度用途例
EP
(エポキシ樹脂)
接着性に優れる150~200℃接着剤
PF
(フェノール樹脂)
高耐熱・絶縁性200~250℃電気絶縁部品
MF
(メラミン樹脂)
高硬度120~150℃食器
UP
(ポリエステル樹脂)
成形性良好120~180℃建材

選定のポイント

選定には、以下のようなポイントがあります。

  • 使用温度
  • 成形・加工方法
  • リサイクル性

使用温度

熱可塑性樹脂は、高温環境に耐えられないことが多いです。

そのため、使用温度が高い場合は、熱硬化性樹脂を選定することになります。

成形・加工法

射出成型や3Dプリンターで製造する場合は、熱で樹脂を融かすため、熱可塑性樹脂が選択されます。

一方で、少量・高性能の部品の場合は、熱硬化性樹脂を選定することもあります。

リサイクル性

環境に配慮して、リサイクル性を考慮する場合、簡単にリサイクル可能な熱可塑性樹脂が選定されます。

逆に熱硬化性樹脂はリサイクル不可の場合があるため、注意が必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の使い分けについて解説してきました。

まとめと以下のようになります。

まとめ
  • 熱可塑性樹脂は、再利用可能で成形が容易
  • 熱硬化性樹脂は、耐熱温度に優れ、高耐久部品を作ることが可能
  • 選定は、使用温度や成形・加工性、リサイクル性を考慮して判断する
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