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機械製図

製図のISOとASMEの違いとは?【機械製図の基礎解説】

皆さんは製図の国際規格はご存じでしょうか。

製図の規格には大きく分けて国際標準化機構(ISO)と米国機械工学会(ASME)の2つ広く使われています。

今回は国際規格の違いと特徴について解説していきたいと思います。

ISOとASMEの概要

ISOとは

ISOとは、International Organization for Standardizationの略で1947年に設立された国際標準化機関です。

ISOでは様々な規格を制定しています。

日本だとJISが規格として定められていますが、ISOは世界で使用されている規格です。

主にアジアやヨーロッパを中心に、多くの国で採用されています。

ASMEとは

ASMEとはAmerican Society of Mechanical Engineersの略で1880年に設立された米国の専門機関です。

ASMEではエンジニアリングや製造に関する規格を提供しています。

主に米国で使用されていますが、グローバルにも影響力があることも知られています。

図面における主な違い

ISOとASMEのどちらにも図面についての規格を持っています。

寸法の違い

ISOでは、図面の寸法はミリメートルを使用しています。

また、図面寸法の後ろには単位を付けないことが多いです。

日本向けの製品を製造している方は、この表記が見慣れているのではないでしょうか。

一方でASMEでは、単位はインチとミリメートルを併用しています。

そのため、寸法の後に単位表記が必須となります。

公差の違い

公差はそれぞれ引用元の規格が異なります。

ISOではISO2768で一般交差が定められており、特に記載しなくても公差が適用されます。

ASMEの場合は、ASME Y14.5によって指定されます。

部品や設計要件に応じて、細かく指定することが可能です。

なお、幾何公差も規格が異なり、ISOではISO5459、ASMEではASME Y14.5によって定められています。

図面のフォーマットの違い

紙のサイズは規格によって異なります。

ISOの場合はA4、A3など日本人にとっては慣れ親しんだサイズを使用します。

数字が大きくなるほど小さいサイズとなります。

ASMEの場合は、ANSI規格に基づく紙サイズ(A、B、Cサイズ)を使用します。

アルファベットが大きくなるほどサイズが大きくなり、それぞれのサイズはインチサイズで以下のようになっています。

規格の適用例

ISOは、アジアやヨーロッパで製造する製品に使用することが多いです。

ASMEの場合は主に北米市場向けの製品に使われています。

その他にも製品だけでなく、航空宇宙や防衛産業などでもASMEが採用されることもあります。

ISOとASMEを組み合わせる際の注意点

様々な国と共に進めるプロジェクトでは、ISOとASMEの規格を組み合わせて使用することがあります。

その場合の注意点を以下に記載します。

・規格間の違いを明確にする

 規格間の矛盾を避けるため、図面内にどちらの規格に準じているかを記載しましょう。

・統一したドキュメントを作成する

 どちらの規格を適用したか、プロジェクト内でわかるように資料を作成しましょう。

・関係者と合意する

  製造現場やクライアントと事前に規格を整合しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はISOとASMEの製図規格について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • ISOは国際標準機関、ASMEは米国の専門機関を表す
  • 図面では寸法やサイズなど形式が異なる
  • ISOとASMEを組み合わせる場合は、違いを明確にしておく
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