皆さんは温度測定を行うとき、どのような方法を行っていますか?
機械の種類や測定物によるため、普通の温度計では測定できず、様々な方法が存在していると思います。
今回は機械設計で使用する代表的な温度測定方法について紹介していきたいと思います。
熱電対測定
熱電対測定とは、温度を測定したい物体に熱電対を固定し、温度を測定する方法です。
熱電対は線のような形状になっており、この熱電対の先端を、測定したい物体に固定し、温度を測定します。
熱電対の原理
熱電対は、2つの線の間に温度差を生じさせ、発生する電圧を読み取ることによって温度を逆算しています。
熱電対測定のメリット
熱電対を固定して接触した部分の温度を測定するため、部品の任意の1点を測定することが可能です。
また、熱電対が入るスペースさえあれば、目視できない装置の内部の温度を測定することが可能です。
例えば、パソコンのような機械の場合でも、通風孔などから熱電対を差し込み、内部部品を測定するという手法も可能です。
熱電対測定のデメリット
熱電対を固定するという工程が必要となるため、準備に時間がかかります。
また、熱電対単体では温度を測定することはできません。
温度を出力するために、データロガーのような変換機が必要となります。
放射温度計測定

放射温度計測定とは、測定物にレーザーを当てて、測定物の温度を計測する方法のことを指します。
放射温度計の原理
全ての物体は赤外線を放射しています。
赤外線の量によって温度が決まるので、レーザーを当てて、空間を伝わってきたエネルギーを読み取ることで温度を測定できます。
放射温度計測定のメリット
放射温度計は、熱電対のように固定するという工程が不要のため、手軽にレーザーを当てて測定することが可能です。
放射温度計測定のデメリット
レーザーを当てて測定するという特性上、レーザーを当てることができない部分の温度は測定できません。
つまり、装置内部の温度を測定するという場合には不向きとなります。
サーモグラフィ測定
サーモグラフィ測定とは、測定物から放射されている温度を計測する方法のことを指します。
測定した温度は色として分布が分かる測定方法となります。
サーモグラフィの原理
放射温度計と同様に、物体から放射される赤外線の量を検出しています。
放射温度計は1点の温度を測定していますが、サーモグラフィ測定の場合は、カメラに映った面の温度を測定します。

サーモグラフィ測定のメリット
サーモグラフィ測定の場合は一面の温度を見る事が可能です。
そのため、装置のどこの温度が高いかを知りたい場合にはサーモグラフィ測定が向いています。
サーモグラフィ測定のデメリット
放射温度計と同様に、目視できない部分の温度は測定することができません。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は温度測定の方法について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 熱電対測定では、熱電対を貼り付けて測定を行う
- 放射温度計測定では、レーザー光を当てて測定を行う
- サーモグラフィー測定では、カメラに映った温度測定が可能