皆さんは3DCADを使用していますか?
近年の機械設計ではほぼ3Dが必須と言われていますが、保存するときは色々な拡張子があると思います。
有名な拡張子としてSTEPとIGESの2つがありますが、この2つはどのように違うのでしょうか?
今回はSTEPとIGESの違いについて解説していきたいと思います。
STEPとは?
まず、拡張子は”ステップ”と読み、Standard for Exchange of Product Dataの略です。
3Dデータのファイル名の最後に.stpや.stepとなっているものがSTEPファイルです。
STEPはスイスのISOと呼ばれる国際規格で定められた3Dデータになります。
元は製品データ交換のために標準として定められたデータとなっています。
IGESとは?
拡張子の読み方は”アイジス”と読み、Initial Graphics Exchange Specificationの略になっています。
3Dデータのファイル名の最後に.igesや.igsとなっているものがIGESファイルです。
IGESはアメリカのANSIと呼ばれる規格で定められた3Dデータになります。
ちなみにANSIはアメリカ版のJISのような規格です。
拡張子を変えるときの注意点
拡張子を変えるときの注意点は、形状が変わってしまう恐れがあるという点です。
拡張子をSTEPやIGESに変えることで、自分が使用している3DCAD以外のソフトでもデータを読み取ることができます。
しかし、使うCADソフトによって限界の精度が異なるので、細かい部分の形が変わってしまいます。
例えば、CAD①の精度は0.01mmで、CAD②の精度は0.05mmだったとします。
このときCAD①で0.01mmの凸部を作ってSTEPデータやIGESデータに変換してCAD②で開いた場合、0mmや0.05mmに変換されてしまうことになります。
つまり、細かい部分はCADデータの内容が正しく伝わらない可能性があります。
製造時はどのようにするべきか?
それでは、細かい部分が伝わらないとき、製造メーカーに渡すデータはどのようにすると良いのでしょうか?
例えば、CADデータとともに図面も一緒に渡すということが対策になります。
設計とメーカーで全く同じソフトを使用するのが理想ですが、難しい場合がほとんどだと思います。
細かい点まで確認できるよう、3DCADデータだけでなく2次元図面も共に渡しておくと確実です。
また、メーカーの使用するCAD・CAMソフトによって、得意な拡張子が変わってきます。
そのため、事前にメーカーに得意な拡張子を確認しておくことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は3DデータのSTEPとIGESについて解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- STEPはISOで定められた拡張子の3Dデータを示す
- IGESはANSIで定められた拡張子の3Dデータを示す
- 拡張子を変えると精密な形状が伝わらない可能性があるので注意する