こんにちは。
からすです。
皆さんは「JIS(ジス)」という言葉を聞いたことはありますか。
名前だけは聞いたことがあるかもしれませんが、良く知らない方も多いのではないでしょうか。
今回は工学の世界では必須知識のJISについて説明したいと思います。
JISって何の略?
JISとはJapanese Industrial Standardsの略です。
直訳で日本産業規格になります。
経済産業省が管轄しており、日本で製造する装置に適用されている国家規格になります。
参考サイト
なぜJISが必要?
例えば、あなたがネジを設計しているとします。
ネジの螺旋部分の溝はどのくらいの深さにしますか?
直径は?頭の大きさは?ドライバーが入る部分の大きさは?
何も拠り所がないと困ってしまいますよね。
そのための基準として、JISという規格が制定されています。
このJISがあるために、日本で作られているネジは統一されています。
だからどこでネジを買って、どこの製品に適用したとしても、固定できないということが起こりません。
このように規格として統一化することで、他社の製品でも搭載できる、他の会社の製品も使用できるという選択が可能になります。
JISがあることによって、共通で使える部品は日本国内で共通化し、今日まで日本の工学を発展させることができました。
JISには何が書いてある?
JISは主に「JIS+記号+番号」の名称で記載されています。
記号は分野を表しており、20種類あります。とても量が多いので、必要なときに応じて規格を確認する、という運用がほとんどだと思います。
以下に一覧表を記載します。
例えば、機械設計者であれば、「JIS B 0001」に記載された製図法を用いて図面を作成します。
ねじやナットについても「JIS B 0002」に記載された内容を引用して設計を進めていきます。
このように設計に必要な基準が記載されています。
その他にも「JIS Z」から始まる分野には、試験方法が記載されており、この試験を行うことで製品の品質を担保しています。
参考サイト
JISに反するとどうなる?
JISはあくまでも規格であり、法律ではないので、例え反したとしても罰則はありません。
ただし、法律に引用された場合などは強制力を持つこともあります。
そのため、よっぽどの理由がない限り、JISに則って設計していくことが基本になると思います。
海外の規格は?
日本ではJISがありますが、海外ではどうでしょうか。
日本と同じように海外でも国ごとに規格を決めています。
海外で使われている規格を以下にまとめてみました。
細かく見ていくと国の数以上にありますので、世界標準のISOとG7の国に絞りました。
記載内容の他にも、例えば子供が使用するおもちゃ専用の規格があったり、製品ごとに細かいルールが決められていることもあります。
アメリカで発行している安全認証機関の「UL」などは聞いたこともあるのではないでしょうか。
終わりに
いかがだったでしょうか。
今回はJISについて紹介してきました。
身近にある意外なものが、実はJISに則って作っているかもしれません。