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機械設計

設計のPDM/PLMの違い【機械設計の基礎解説】

皆さんは設計支援ツールは使っていますか?

広い意味ではCADのように図面作成のソフトも設計支援ツールと言えます。

今回は混同しがちなPDMとPLMの違いについて解説したいと思います。

PDMとは?

PDMとはProduct Data Managementの略です。

図面などの設計データを保管・利用するためのツールのことを意味します。

例えば、黒ボールペンを製造するためのの図面を作成する場合を考えます。

ボールペンにも芯・ケース・キャップなど複数の部品が使われていますので、それぞれに対して部品図が必要になります。

部品同士を組み立てる組立図や部品を一覧で確認できる部品表も作る必要があります。

ボールペンを1回作るだけであれば、問題ないかもしれませんが、続いて赤色や青色のボールペンを作るときはどうでしょうか?

最初に作ったボールペンの図面を流用して設計した方が早いと思います。

このようなときに最初の図面を決められた場所に保管しておくことで、すぐに過去図面を探して流用することが可能です

PDMを用いるメリットとは?

設計から見たPDMを用いるメリットは、主に以下の3種類があります。

PDMのメリット
  • 設計部品の流用
  • 離れた場所への図面指示
  • 設計思想の共有

順に説明していきます。

設計部品の流用

前述した通り、複数の部品で製品を作ることは珍しくありません。

大きい会社であれば、複数の部署に分かれて別々の製品を作ることもあると思います。

しかし別の部署で同じような形状の製品を作っていたということも十分にあり得ます。

そんなときにPDMで図面の情報を共有できれば、似た部品を作る必要がありません。

そのため設計期間の短縮やコスト削減にも役立ちます

離れた場所への図面指示

設計と製造の部門が分かれていることは多いと思います。

そして部門だけでなく、場所も離れていることもあります。

そんなとき、設計の図面を製造にどのように共有するのが良いでしょうか?

関連する図面を全てコピーして送付するのが良いですが、設計側としては手間も時間もかかってしまいます

そのため、PDMで関連図面を全てまとめておけば、製造側へ必要な部品表を渡すだけで共有が可能です

設計思想の共有

PDMでは図面と部品表だけでなく、Wodなどのドキュメントファイルも共有しておくと良いでしょう。

図面を作った本人ならともかく、別の担当者が図面を見ただけで、なぜこの形状にしたのか、どのような目的で作ったのかの設計思想を読み取ることは難しいです。

そのため、図面に付随して設計書や報告書をまとめておけば、その後に不具合や設計変更が生じても、当時の思想を読み取ることができます。

このように設計と製造の共有だけでなく、設計同士の共有にもPDMは使用できます

PLMとは?

PLMとはProduct Lifecycle Managementの略です。

製品の開発から廃棄までを考慮して設計することを指します。

例えば、金属の板ばねとプラスチックを組み合わせた構造はどうでしょうか。

一見すると組立がしやすいので、組立工数削減のためによく適用される構造かと思います。

ただし、分解・リサイクルを考えるとどうでしょうか?

金属である板ばねとプラスチックは同時にリサイクルできないので、廃棄時に壊して分解する必要があります。

すると廃棄時に余計な工数が発生するため、トータルで考えるとコストアップになってしまうことがあります。

このように製品を廃棄するときまでの情報を集約して管理することをPLMと呼びます。

PLMのメリットとは?

PLMは、開発から廃棄までを考えることで、品質向上やコスト削減のメリットが生じます。

品質向上

ライフサイクル全体を考えて設計するため、廃棄時に至るまでにどのような挙動が生じるかも想定します。

運用時に簡単に壊れないよう安全面も考えて設計するため、製品品質の向上に繋がります。

トータルコスト削減

前述したとおり、製品廃棄時までのコストを想定して設計するので、全体を考えて低コスト化が可能です。

また、製品のライフサイクルも想定しやすくなるため、廃棄や故障時の対応に余計な工数を割かずに対応することも可能です。

このように製品コストを最適化するときにPLMの考え方が重要になってきます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は混同しがちなPDMとPLMについて解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • PDMは図面やドキュメントを一括管理することを指す
  • PLMは製品の廃棄までのプロセスを考慮して設計を行うことを指す
  • PDMもPLMも使いこなすことで、製品トータルの品質・コスト・納期を向上させることが可能
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