皆さんは図面を作成したときに、どのような点をチェックしていますか。
図面のチェックを疎かにすると、後の工程で多くのコストや時間を招いてしまうかもしれません。
今回は図面ミスを防ぐための観点を10個説明したいと思います。
1.寸法に漏れはないか
全ての寸法が明記されているかをチェックします。
寸法を入れるだけでなく、二重寸法になっていないかの確認も必要です。
もし二重寸法でも必要と思う箇所には、括弧付寸法を利用しましょう。
2.図面のスケール
図面のスケールが適切かを確認します。
図面のサイズと部品の大きさを考慮して、見やすいスケールを選択しましょう。
もし小さすぎて見えない場合は、縮尺を大きくするか、詳細図を使うという手もあります。
3.線の種類と太さ
実線、破線、中心線が正しく使用されているかを確認します。
3DCADの形状を2DCADに直した場合、自動で線種を設定されてしまうこともあります。
その場合は、一度印刷して確認後、見直しましょう。
4.材料と処理の指定
使用する材料が正確に記載されているかを確認します。
適切な材料と処理を使用しないと、錆などのトラブルが生じる可能性があります。
5.部品加工に無理はないか
使用する材料と処理で部品加工が可能かを確認します。
特に加工時に工具が入るかという検討は重要です。
もし加工できない場合は、部品を分けるなどの処置が必要となります。
6.公差の適用
特に精度が必要な個所に公差が入っているかの確認が必要です。
寸法公差だけでなく、幾何公差も適切な値を入れているかを確認しましょう。
不要な部分にまで公差をいれてしまうと、コストアップの原因となります。
7.部品組み立て時の干渉・間隙
部品の組み立てが可能であるかを確認しましょう。
組み立てた時に干渉が生じないか、動作時に間隙が十分かを確認します。
もし干渉する場合は、公差の見直しが必要です。
8.図面のレイアウト
図面のレイアウトが見やすいかをチェックします。
形状の尺度だけでなく、注記のテキスト配置や文字の大きさの確認が必要です。
必要であれば、断面図などの補助ビューを追加します。
9.図面記号の正確性
図面で使用されている溶接記号、表面粗さなどの記号が正しく使用されているかを確認します。
JISで指定されている記号と反していないか、適切な位置に配置されているかもチェックしましょう。
10.図面間の整合性
他の図面と矛盾が無いかを確認します。
組立図面や、接合図面などと異なる形となっていないかを確認することが必要です。
他にも、図面修正の場合は、バージョンが過去の物になっていないかも確認しましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は図面のチェックリストについて解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- まずは寸法や材料などの確認を行う
- 適切なレイアウトと尺度を用いる
- 材料加工可能かや組み立て可能かも確認する