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機械製図

図面の平面度とは?【設計での使いどころを解説】

皆さんは平面度というものをご存じでしょうか。

図面を見ていると記載されていることもありますが、どのようなときに使うのでしょうか?

今回は平面度について解説していきたいと思います。

そもそも平面度とは?

平面度とは、図面に指定する公差の一種です。

公差には寸法公差と幾何公差があり、平面度は幾何公差に分類されます。

詳しくは以下の記事で紹介しています。

その中でも平面度については、以下のように定義されています。

平面度とは,平面形体の幾何学的に正しい平面(以下,幾何学的平面という。)からの狂いの大きさをいう。

JIS B 0621より引用(https://kikakurui.com/b0/B0621-1984-01.html)

つまり文字通り、どれだけきれいな平面を作れているかどうかを判断するための公差になります。

平面度の表し方

平面度は図面では、以下のように記載されます。

平面度の記載の例

平面度を指定したい面に矢印を書いて、平面度記号と寸法の許容差を記載します。

許容差の単位は$mm$です。

このときの記号の意味は、平面の中で、最も出っ張った部分と最も凹んだ部分の差が0.1mm以下という意味です。

平面度を記載する意味

平面度を記載するということは、部品の歪みが許されない場合が多いです。

例えば、部品同士を組み合わせるときで、歪んでいると部品同士が干渉してしまう場合が主に挙げられます。

部品の加工法で考えると、フライス盤を使った切削品や、プラスチックなどの射出成型用金型を使った成形品を使用する場合に記載することがあります。

このような加工法の場合は、きれいな平面を作れない場合があるため、部品と組み合わさる面は記載しておくと良いでしょう。

平面度のデメリット

平面度を入れるデメリットとしては、コストが上がってしまうことにあります。

ここでコストとは、射出成型品の金型代金と、製品代金の2種類が考えられます。

金型代

金型自体は、切削加工によって作成されます。

つまり切削して加工し、一度成型のテストを実施して測定し、幾何公差の範囲内に入ってなければ再度金型を加工し・・・という工程を繰り返していきます。

この繰り返す工程が多くなればなるほど、人件費がかかり、代金が上がってしまいます。

製品代

製品代としては、検査の費用が掛かってしまいます。

例えば、平面度なしでは、ノギスだけで測定できたとしても、平面度を記載してある場合は、専用の測定器を用意し、測定して結果を残すという工程が必要になります。

当然、製品の費用には、検査の費用も含まれていますので、検査工程を増やすことで、製品代も上がってしまいます。

このように金型を作る場合であれば金型代が、製品を作る場合であれば製品検査代が、それぞれ上がってしまいます。

平面度は全てに指定するのではなく、本当に必要な部分のみに指定することが重要です。

平面度の測定方法

平面度の測定は、ダイヤルゲージを使って測定することが多いです。

数点の箇所を測定しながら値を記録し、値が許容差を超えていないことを確認します。

メーカーによっては、三次元測定機を用いて測定するという方法もあります。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は平面度について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • 平面度とは、きれいな平面を出すことを目的にした公差
  • 最も出っ張った部分と凹んだ部分の差を表している
  • 指定しすぎるとコストアップに繋がるので、必要な部分のみ指定する
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