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伝熱工学

効率の良い放熱フィンとは?【伝熱工学的解説】

放熱するときは、フィンを取り付けて表面積を増やすという方法が考えられます。

ところでこのフィンには、効率が良いものと悪いものがあることはご存じでしょうか。

今回はフィンの効率について解説したいと思います。

放熱フィンの形状

放熱フィンはヒートシンクの先端のような物とイメージして下さい。

今回は例として、以下の2つのパターンを考えてみましょう。

フィン形状のイメージ

どちらも同じ面積で直方体形状の2種類のフィンを使って放熱する状態です。

どちらもフィンの厚さは2mmとし、フィンの発熱側の先端は常に一定の温度と仮定します。

つまり、どんなに放熱しても発熱側の温度は下がらないという状態です。

フィン効率とは?

フィン効率とは、どのくらい効率良く熱を伝達できているかを表す指標になります。

数式的には以下のようになります。

数式

η=・・・①

η:フィン効率

もしフィン効率が100%であれば、発熱体の温度をそのまま伝えることができているということを意味しています。

しかし実際には、フィンの長さが長すぎたり、熱伝導率の低い材質を使っていると、先端へ熱は伝わりません。

この場合はフィンへ十分に熱が伝わらずにフィンの効率が悪いと考える事ができるので、フィンを延ばす以外の観点で別の放熱の方法を考えた方が効果的です。

フィン効率の比較

フィンの断面が一様の場合、フィン効率は以下の数式で表すことができます。

数式

η=tanh(mL)mL

ただし、m=hPλAとする。

L:フィンの長さ[m]

h:熱伝達率[W/Km2]

P:フィンの周長さ[m](=2w+2t)

λ:フィンの熱伝導率[W/Km]

A:フィンの断面積[m2](=w×t)

w:フィンの幅[m]

t:フィンの厚さ[m]

この式を用いて、フィン効率を計算していきます。

熱伝導率λ=120W/Km、熱伝達率h=50W/Km2とします。

形状Aの場合

形状Aの場合のフィン効率を計算すると、以下のようになります。

mA=50×0.204120×0.0002=20.6

ηA=tanh(20.6×0.05)20.6×0.05=0.751

つまりフィン効率は75.1%です。

形状Bの場合

形状Bの場合のフィン効率を計算すると、以下のようになります。

mB=50×0.104120×0.0001=20.8

ηB=tanh(20.8×0.1)20.8×0.1=0.466

つまりフィン効率は46.6%です。

このようにフィン効率を計算した結果、形状Aのフィン効率は75.1%に対し、形状Bのフィン効率は46.6%となり、形状Aの方が効率よく先端まで熱を伝えられているということが分かります。

フィン効率を最大にするには?

フィン効率を最大にするには、どうすればいいのでしょうか。

式①をグラフにすると以下のようになります。

このときmLを横軸に、ηを縦軸にしています。

フィン効率とmLの関係

グラフを見ると、mLの値が大きくなるほど、フィン効率も下がっていることが分かると思います。

つまりフィン効率を最大にするには、mLの値を小さくすればよいということが分かります。

具体的な対策方法

ここで式①を見直して考えてみると、mLの値を大きくするには、2種類の方法があることが分かります。

  1. LhPを小さくする
  2. λAを大きくする

この対策①の方法を考えると、フィンの長さ、熱伝達率、フィンの周長さを小さくすると、どれも放熱の性能を小さくする対策方法となっています。

つまり対策①を行うときは、放熱性能が十分なので、フィン形状を小さくしてコストダウンを狙いたいときに有効となります。

一方で対策②は熱伝導率を大きくする、断面積を大きくするという方法で、どちらも放熱効率を上げる対策方法です。

つまり対策②を行うときは、放熱性能が不十分なので、熱を伝えやすくしたいときに使用するときに有効となります。

どちらの対策方法を用いるかは、放熱の状況によって判断しましょう。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回はフィン効率について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • フィン効率とは、効率よく熱を伝達できているかの指標を表している
  • フィン効率は、5種類のパラメータによって変化させることができる
  • どの対策を使うかは、放熱の状態によって決定する
本記事は以下の文献を参考にいています
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