皆さんはネジ頭の種類を気にしていますか?
ネジはあらゆる分野で使用されていると思いますが、ネジ頭は作業性・美観・機能性に直結するため、正しい理解と選定が必要です。
今回は代表的なネジ頭の種類と特徴について解説していきたいと思います。
なべ頭
なべ頭は半球状の丸みを帯びた形状をしています。
基本的なネジで、主なネジの形状として思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
平らな部材に乗るように取り付けます。
通常のプラスドライバーで締めやすいという特徴があります。
皿頭
なべ頭と異なり、頭部が平らな形状をしています。
ネジ頭が飛び出さないため、平らな外観に仕上げることができます。
見た目を綺麗にしたい場合や干渉を防止したい場所に適用されることがあります。
ただし、ワッシャーを入れることができず、取り付ける部品にも特殊な加工が必要となります。
トラス頭
トラス頭の見た目はなべ頭と似ていますが、より広くて平らな形状をしています。
なべ頭よりも広い面で部材を抑えることが可能です。
座面が広いため、緩み防止効果や材料への負担軽減が見込まれます。
しかしネジ頭の直径は大きくなるため、大きさの制約がある場所では使われない事があります。
六角頭(六角ボルト)
形状が半球状ではなく、六角の形状をしているネジです。
六角ボルトと呼ばれることもあります。
通常のドライバーではなく、レンチで回すことが多いです。
高トルクに対応することが可能で、耐久性が高いことが特徴です。
ただし、組み立て時にレンチが入るスペースがあるかを検討する必要があります。
キャップボルト(六角穴付きボルト)
キャップボルトはネジ頭に十字穴ではなく、六角形の穴が開いているボルトになります。
六角穴付きボルトと呼ばれることもあります。
こちらもドライバーではなく、六角穴にレンチを入れて固定します。
頭部が小さく、省スペース化が可能です。
このキャップボルトもレンチが入るかを設計に検討する必要があります。
ボタン頭
キャップボルトの美観を重視した形状となります。
キャップボルトは頭が円筒状になっているのに対し、ボタン頭は半球状になっています。
デザイン性重視のため、外から見える箇所に締結することが多いです。
キャップボルトよりも頭の高さは小さくなっていますが、幅は広くなっている点は注意が必要です。
ローヘッド(低頭)
ローヘッドネジは、ネジの頭部が極端に小さいネジのことを指します。
低頭ネジと呼ばれることもあります。
通常よりも小さいことで、限られたスペースで干渉せずに組み立てることが可能です。
皿ネジと異なり、ワッシャーを入れることも可能な形状となっています。
しかしネジ部が浅いため、締め付け時に破損しないよう注意が必要です。
フランジ付きネジ
ネジの頭部に座金が取り付けられているネジです。
ワッシャーと一体化のため、他のネジよりも緩みにくいという特徴があります。
ワッシャーを後から入れ込む必要が無く組み立て作業性に優れていますが、付け外しを繰り返す場所には向いていません。
セキュリティネジ
ネジ頭の穴形状が十字や六角ではなく、特殊な形状をしている物を指します。
専用工具でしか取り外せないため、防犯性が求められる場所に使用されることが多いです。
様々な種類のネジが販売されてるため、ネジに合わせた工具が必要になります。
そのため、すぐに取り外しする場所には不向きです。
ネジ頭の選び方
ネジ頭の選定は、主に以下の3つの観点で決めるができます。
- ネジ頭との干渉の有無:干渉がある場合は皿ネジやローヘッドネジを使用します。
- 作業性の考慮:十字ネジで固定できない場合は六角やキャップを用います。
- 使用環境:場合によってはセキュリティネジを適用します。
ネジを回すためのツール
ネジを回すためには様々なツールが必要となります。
以下のようなツールセットを持っておくと便利です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はネジ頭の種類と使い分けについて解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- ネジ頭にはなべ頭の他にも数種類存在する
- ネジ頭は干渉や作業性、使用環境に注意して選定する
- 複数種類のネジを回せるようツールセットを持っておくと良い