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機械設計

ネジのトラブルと対策手法とは?【機械設計の基礎解説】

皆さんは普段からネジを使っていますか?

部品同士を簡単に締結することができ、分解も簡単ですが、ネジにもトラブルが多く隠されています。

今回は主要なネジのトラブル3選と対策について解説していきたいと思います。

ネジ頭の潰れ

ネジのトラブルで多い例として、ネジの頭の部分が潰れが挙げられます。

ベテランの設計者の方でも、昔一度ネジ頭を潰してしまった経験があるのではないでしょうか。

原因

原因として、ねじ頭の大きさに対応しないドライバーを使用しているという点が挙げられます。

例えば、ISOネジでM3のねじに対して、No.2のビットを用いることが一般的です。

しかし手元にNo.2のビットがなく、間違ってNo.1のビットを手にしてしまった場合を想像してみて下さい。

No.1のビットは小さいので、M3ネジの頭にも入ってしまいます。

このとき、M3ネジには十分に力が伝わらず、溝を削ってしまいます。

このことによって、ネジ頭の潰れが発生します。

潰れてしまった場合の対処方法

ネジ頭が潰れてしまうので、もうネジを回したり外したりすることができません。

つまり、ネジ頭の溝を使わずにネジを回せるような機能が必要です。

以下のような工具を持っていれば、外すことができます。

対策方法

対策は、ネジ径にあったドライバーを使っておくことになります。

設計時に同じネジで統一したり、違う大きさのネジを組み立てるときは手順をまとめる、小さいネジから順に組み立てるようにする、などが対策として挙げられます。

以下のようなドライバーセットを持っておくと安心です。

ネジの破断

ネジの破断とは、ネジの頭とネジ部がちぎれてしまうことを指します。

原因

ネジの破断の原因として、過剰な負荷が挙げられます。

例えば、指定されたトルク以上の締付トルクでネジを締め付けた場合、破断が発生します。

また、適切な締付トルクで固定していたとしても、許容値以上の外力がネジに加われば、破断が発生します。

破断してしまった場合の対処方法

破断してしまったネジに対しては、2種類の対処方法が挙げられます。

まずネジの頭が露出している場合は、ネジ頭の潰れと同様に以下の工具で回すことができます。

一方で完全にネジ頭がちぎれてしまっている場合、ネジにドリルで穴を空け、エキストラクターを用いて回すことができます。

対策

対策としては、あらかじめ適切な締付トルクで固定することが挙げられます。

そのために以下のようなトルクドライバーが必要となります。

その上で、過剰な外力が加わらないよう設計を行うことが重要です。

ネジの錆

ネジに錆が生じて、内部まで進行してしまうことで破断が生じます

原因

適切な材質や処理を施したネジを使用していないことが挙げられます。

例えば、雨風の激しい環境で鉄のネジを使用した場合は錆びが生じてしまいます。

ネジの材質にステンレスを用いることや、厚い塗装を施すことで錆を防ぐことができます。

ただし、固定先金属とネジの材質が異なる場合、異種金属のために電食が発生して錆びることもあります。

錆びた場合の対処方法

錆びてしまったネジは新品のネジに取り換えてしまうことが対処となります。

軽微な錆びであれば、錆び取りを使用して一時的に錆びを落とすこともできますが、再発する可能性もあります。

対策

対策としては、設計時に適切な材質を選定することが挙げられます。

ステンレスを選択するだけでなく、周囲の材質との相性を考えることも必要です。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は主なネジトラブルと対策について解説してきました。

まとめると以下のようになります。

まとめ
  • ネジ頭の潰れについては、適切なドライバーを使うことで対策可能
  • ネジの破断については、適切なトルクと使用条件を設定する
  • ネジの錆については、適切な材質を選定する
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