皆さんは寸法測定を行ったことはありますか?
測定を行うにはいくつかの方法がありますが、測定個所によって方法を変える必要があります。
今回は機械設計で用いる代表的な寸法測定方法について解説したいと思います。
寸法測定を行う理由
寸法測定を行う理由としては、検査と検証の2種類の理由があります。
検査とは、図面指定通りの寸法が作成されているかを、加工者が確認するために行います。
検証とは、要求した通りの寸法で作れているかを、設計者が確認するために行います。
どちらも寸法を測定して、図面と同じかどうかを照合する工程ですが、実施する目的と作業者が異なります。
もし図面と異なる寸法で作られていた場合、検査であれば製品の作り直しと、加工工程の見直しを行う必要があります。
検証であれば、加工者に連絡して再作の要求が必要になってしまいます。
どちらにせよ、誤った物を作っていないかを確認するためには必須の工程となります。
ノギス
現在では、寸法測定を行う上で最も有力な測定器がノギスになります。
コの字型の測定器で部品を挟み、間の寸法を測定します。
測定範囲は0~200mmくらいが代表的です。
ノギスのメリット
ノギスのメリットとして、手軽に測定できるという点が挙げられます。
測定器自体が軽いため、持ち運びも容易です。
ノギスのデメリット
ノギスは直線的な部分しか測定ができません。
また精度も0.01mm単位までしか測定できないことも多く、精密機器の測定には向きません。
ちなみに穴のピッチを測定するためのノギスとして、ピッチノギスという物もあります。
マイクロメータ
マイクロメータはねじのように締め込み、挟んだ部品の寸法を測定します。
測定範囲は0~25mmくらいまでの物が代表的です。
マイクロメータのメリット
マイクロメータは、文字通り1マイクロの大きさまで測定することができます。
ノギスと同様、比較的軽いので持ち運びも容易です。
マイクロメータのデメリット
マイクロメータは測定できる最大範囲が小さいため、大きい部品を測定するには向いていません。
また、ねじを締め込んで測定するという都合上、ノギスと比べると1回の測定に手間がかかってしまいます。
三次元測定機
三次元測定機は、端子を部品に押し当てて、部品の輪郭の座標を記録していきます。
測定した座標を組み合わせて寸法を測定することが可能です。
端子に当てることなく、スキャナーのように読み取る測定機もあります。
こちらは非接触型と呼ばれることもあります。
三次元測定機のメリット
ノギスやマイクロメータで測定できない複雑な形状でも測定可能です。
測定機器によっては、測定したデータを組み合わせて3Dモデルを作成することも可能です。
三次元測定機のデメリット
一般的に測定機器が大きく、重いため、持ち運びが難しいです。
また、測定時に点を多く取得する必要があるため、測定には時間がかかります。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は代表的な寸法測定方法・機器について解説してきました。
まとめると以下のようになります。
- 寸法測定は、指定通りに物が作れているかを確認するために実施する
- ノギスは数十mm単位、マイクロメータは数mm単位、3次元測定機は複雑な形状の測定に向いている
- 測定目的に合わせた測定機器を選択することが重要